なぜ福知山線脱線事故は起こったのか
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人気ランキング : 27864位
定価 : ¥ 1,365
販売元 : 草思社
発売日 : 2005-08 |
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常に深く考えながら読む本。 |
この本で著者がボルスタレス台車の欠陥について指摘しているが、情報が不足しているために、客観的にその判断が正しいのかどうか判定するのは難しい。あまりにきっぱりと「決めつけて」いる部分は確かにどうかと思う一面もある。しかし、この本の後に相次いで出されたボルスタレス台車欠陥説を否定する発言はいずれも「ボルスタレス台車が危険だ」という発言を否定はするが「ボルスタレス台車が安全である」という部分を客観的に説明できていない。鉄道は政治で動いていることを改めて感じた本である。
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「虚偽報道」に専念したマスコミと、真実と本質を明らかにした本書 |
本書は、鉄道事情に関する専門家である著者が、2005年4月に発生した福知山線脱線事故の原因を明らかにしたものである。
著者は、その原因を「ボルスタレス台車」という、事故を起こした207系などに装着されている台車であると指摘している。この台車は、鉄道会社、車両製作会社、国土交通省が一丸となって導入を促進してきたものであるがゆえに、事故調査委員会も一切言及をしていないものとしている。
この事故に関する最大の問題は、著者も指摘しているように、マスコミ報道が虚偽に満ちていたことである。著者はこれらの「虚偽報道」のそれぞれの論点について、詳細に反論している。それらは、ATSの本質を理解せずに、「旧型である」という一点のみで何の検証もなく原因とした点、福知山線が過密ダイヤだと主張したが、実は「過疎ダイヤ」であった点、また半径300Mという「急カーブ」が鉄道では決して珍しいものではない、という点などである。
マスコミ報道は、こうした虚偽の報道に基づいて、異常ともいえるほど「JR西日本批判」を展開したが、このことについても著者は「過密ダイヤ、高速運転、収益第一のJR西日本といったことでも同様のミスリードが重ねられた。企業が収益をあげようとするのは当然であるし、スピードアップは鉄道にとって命である。安全対策に抜かりがあったことが問題なのである」(200頁)として、問題の所在について極めて本質的な指摘を行っている。
実際著者が専門家の一人として、当初の報道の段階でさまざまなコメントを行ったものの、本質的な部分については意図的にカットされていたとの証言もあり、ここからも、事件の本質を視聴者に伝えることなど一切の興味がなく、煽動活動に専念したマスコミの愚劣さが明らかとなっている。この意味でも、著者が専門家として、今回の事故の原因及び問題の本質を明らかにした本書の意義は極めて大きいといえる。
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これは、出すべきじゃ無かった。 |
川島氏の本は「私の電車史」に自ら記したとおり、「こうなったらいいな」という事を大げさに書いておいて、そのうちの一部でも採用してくれれば万々歳というスタイルである。
この本で「こうなったらいいな」と言う部分は、「関西の電車は、関西の電車文化に則って、関東のつまらない電車や設備は部品であっても入らないようにして欲しい」であった。
曰く。
「事故車両は、関東の電車よりも強度は高い(車体側板の厚さが違う、というが、材料はともかく強度を保つ工夫について何ら記していないのと、強度についてのデータがない。)」
「ステンレスの無塗装は関西地区に馴染まない」
「JR東日本では常識以上に余裕時間を持っている(この事故での原因は余裕時間の無さを指摘していたのだが。)」
ボルスタレス台車が事故原因とするが、それは「危険とは表だって言えない」と、なんだか陰謀論めいたシロモノであり、もしそれが本当に危険なら、氏がたびたび他の本で評価発言している、500系のぞみや新快速電車、サンダーバード(いずれもスピード自慢の電車たちである)すべてに採用されていて、それこそ氏の発言は瓦解してしまう。
また、阪急はボルスタレス台車は、本の内容に反し採用済であるという事実誤認がある。
2005年8月末に、事故調査委員会の中間報告が発表されるが、その発表を待ってでの出版でも良かったのでは無かろうか。そしてその報告でこの本の中にある事実誤認が結構出る物と思われる。
と言うわけで、この本の読み方は、ポストイットと鉛筆、中間報告書を本の傍らに用意し、誤りを指摘していくのが正しい。